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三十七度

小中学生の頃、土曜日になるとテレビで映画を放送していた。時間帯は、午前十時か十一時頃だったと思う。当時は土曜日でも、学校は半日あった。見るためには、なんとか学校を休まなければならない。エルビスプレスリーや、東映のヤクザシリーズ、若大将や渡り鳥シリーズなど色々あった。 映画を見たいものだから、母には風邪をひいたみたいだと、休みを願い出る。しかし、休むには条件がある。体温が三十七度以上でないと、許して...

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天罰

 Mさんの口癖は「勉強してる?」僕がMさんと会ったのは、Mさんが六十八で僕が十六の春だったMさんは元海軍兵だ戦争中の話しをたくさんしてくれた軍艦で南方に出たそうだ嫌な上官がMさん達を理不尽に毎日のように殴ったそうだある時あまりにひどい上官を機銃攻撃があった時みんなでいっしょにやっちまおうと決めたそうだある日空襲があった時殺られた兵は上官一人だったそうだMさんは言ったやっぱり天は見放さなかったと...

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火事じゃないですからスルメですから

 二十八歳の春、一人暮らしを始めた。三階建ての賃貸マンションだ。自営で内装業をしていた。自営は気楽でいいが、サラリーマンの三倍は稼がなければ、生活は厳しい。すべて自分の責任において、仕事は成り立っている。部屋は三DKで一人では贅沢だったが、この部屋の内装は自分で行い、愛着が湧いたのだろう。ここに住もうと決意した。新築だったので、この建物の入居は俺が第一号だった。家具家電などは、当初何も無かった。とり...

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火事見に行っちゃったの

  夜中の二時ごろだ、町のサイレンが鳴った。火災のサイレンだ。俺は急いで、服を着替えた。別に街の消防団員ではない。そしてお袋に言った。「見に行かねぇのかよ」「今何時(なんじ)よ」「二時だ」「こんなに遅くに行かないよ」「じゃあ俺行ってくるわ」火事を見に行った。大火だった。町の消防団員は、実に機敏だった。いい働きをした。同級生が数人活躍していた。良くやった。四十分後、家に戻った。玄関の鍵を閉め、着替え...

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