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サンタさんはいなかった

保育園の頃、
タバコ屋さんで買ってもらうコーヒーパンが好きだった。

コーヒーと言っても、コーヒーではない。
色がコーヒー色なだけだ。

甘くて、とても美味しかった。

店の名前は分からない。
ただタバコを売っていたので、タバコ屋さんだ。

俺は、コーヒーパンを買ってくれる。
ただそれだけの理由で、保育園に通っていた。

当時の俺には、バナナよりも、
コーヒーパンの方が、一階級上だった。

毎日、母が運転する自転車で保育園に通った。
雨の日も、風の日も、雪の日も。

母は、隣町の米軍基地に勤めていた。
ハウスキーパーだ。
日本でいうと、家政婦である。
だから英語はペラぺラしゃべれた。

小学校三年生まで、
サンタさんを心から信じていた。
本当だ。嘘じゃない。

学校で皆言っていた。
〝サンタはお父さんだ”と。

信じなかった。
家(うち)にはお父さんはいない。

サンタは、外国人だとは知っていた。
クリスマスが近付くと母が「何が欲しい」と聞いて来た。

何々が欲しいというと、
サンタさんに電話してあげるといい、
タバコ屋さんの公衆電話から、
英語で電話をしてくれた。

勿論、サンタさんにだ。

何時(いつ)も欲しいものとは違っていたが、
必ずクリスマスの朝、
くつ下と共にプレゼントがあった。

サンタさんの本当の正体を知ったのは、
小学校四年生の時だった。
一つ年上の姉ちゃんが見たらしい。

若水、お母さんが夕べ、くつ下に何か入れていたよって。

それを聞いた時、
とても信じられなかった。

サンタさん?
お母さん?

とても結びつかなかった。
頭が混乱した。
勇気を出して友達に聞いてみた。

「ねぇ、サンタクロースってだれか知ってる」
「うん、お父さん」

あーやっぱりな
 
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