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売り言葉に買い言葉


最初に言っておく。この言葉は、度胸とタイミングが必要だ。
ヘタをしたら相当もつれ相手から反感と怒りを買う。

国同士で考えたなら、ヘタして戦争、良くて国交断絶だ。

気を付けた方がいい。
これは相手に非がある場合にだけ、効力を発揮する。

人は日々生活の中で、ストレスや不安を抱いて生きている。

人の出来が良ければ自制が効き、自分の精神状態に左右されず、
穏やかに平素と変わらぬ態度で人と接する事ができるだろう。

けれどすべての人がそうじゃない。
多くの人が、少しのことで腹を立てる。

「えっ私が何かしましたか?」
という事がしばしばある。

一方的に理不尽に怒られて、黙っているとやがてやって来る。
「うんとかすんとか言ってみろ!」

そうだこの言葉だ。
「うんとかすんとか」

きっと、黙っている者に対して苛立ちを感じ、
何か言わせようとしているのだろう。

言われた方は、たまったものじゃない。
何一つ悪い事をしていないのに・・・・。

でも一応自分で回想してみる。
何か悪いことしたっけ。

この場合、教科書通りに行けば、
「うん」
が、的確な返答になる。

しかし人によっては、それができない人もいる。
別に悪意があるわけじゃない。
よほど腹に据えかねたのか、血迷ったかのどっちかだ。

できない人の返答は、
「すん」
である。

うんとすん。
どっちか言えってことでしょう。
一応強要してるんだから、どっちか言わないとね。

「うん」でも、その場面によっては度胸がいるのに、
「すん」と言っちゃうんだから、
こりゃまいった。

十八の時、自動車教習所に通った。
四段階の路上教習、三時間目だ。

季節は夏だった。
教習車には、各背番号が付いていて、その日に乗る車の番号札を、その都度渡される。

教習車はかなり沢山あり、目標とする自分の背番号を探すのに、
毎回苦労する。

その日、たまたまいつもより、
自分の教習車を探すのに、時間がかかった。
でも周囲を見ると、まだ探している人もいた。

教習車に行くと、いきなり教官が行った。
「コノヤロー! 何時まで待たせるんだ。」と。

そして、「早く乗れ!」と言い、
私は助手席に座った。

四段階は路上教習なので、そのまま教官が路上に出た。
路上に出るなりまた言った。

「何で早く来ねぇんだ! 何をしてた。すいませんの一言もねぇのか,このバカヤロー」
私は決意した。

交通量の少ない路上で運転を交代した。
教官は完全命令調で言った。

「そこを曲がれ、あそこを左だ、
お前は口がきけねぇーのか、おしか?」と。

一切口を開かない私に更にまくしたてる。
「うんとかすんとか言ってみろ、コノヤロー」

私はそれでも口をきかなかった。
車の運転には自信があったので、何一つ失敗はしなかった。

心の中で葛藤した。
人通りの少ないところに行っちゃおうかな?

教官は、どこどこを曲がれ!といった後に、同じことを繰り返す。
「お前は本当におしか? うんとかすんとか言ってみろ、コノヤロー」

私の我慢も四段階に入っていた。卒業まであと少し。
あと一回言ったら決行を決意した。
どうせ今日は、印鑑を押してもらえないと思ったからだ。

選択肢は二つ。人通りの少ないところにいくか、
言葉で返すかだ。
そろそろ、教習時間の終わりにやって来た。

この信号を曲がったら、もう教習所の通りだ。
信号待ちの時にまた言った。

「このヤロー、うんとかすんとか言えバカヤロー」
間髪入れず即言った。

「すん」
「えっ」
「すん」

「このヤロー人をバカにしているのか!」
教官は、もの凄い勢いで怒り狂っている。

私は、してやったりと思った。
すんの後は、勿論余計なことは言わない。

教習所に近づくにつれ、教官に変化が表れた。
教習所の隣は高校があり、前に近づいた時だ。

「そこはゆっくりね、はい左にウインカーを出して」
さっきと別人だ。

この変化はどうした?
こっちが戸惑った。

教習所にこの暴言を告げ口されると思ったか、
バカは相手にしない方がいいと悟ったのか、とにかく驚いた。

でもさらに驚いた。
教習所に入り、所定の位置に車を止めた途端
「あー、悪かったね、あんなことを言って。ゴメン本当に悪かった。」

教官が放った言葉だ。
また更に驚いた。

印も押し、外にある水道で暑いから水を飲めと勧める。
この暑さで、この人頭をやられたか、普通じゃないかのどっちかだと思った。

人は黙っていると不安になるらしい。
でも私の気概があってこそ、導いた私の勝利だ。

別に世の中、勝負で物事を決めている訳ではないが、
理不尽には私は屈しない。

だから戦う。
でもよかったですね教官、
私が裏路地で車を止めなくて。

人間はね、どんな時でも平常心で人と接してもらいたいものですね。
ねぇ教官。

 
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